あづちりこの「見所から」

アクセスカウンタ

help リーダーに追加 RSS 駆け足ひるがえし〜 エンドイヤーの見所から

<<   作成日時 : 2008/05/12 11:39   >>

トラックバック 0 / コメント 0

仕事もざわざわ、舞台も駆け足で年末に向かう。
週始めの月曜、年度最後の謡のおけいこ。佐久間先生に挨拶。
なんと無事1年間。早いなあ。全然進んでないけど。。
週の真ん中、青山のてっせんで青山能。
今月は定例、青山と彼の名前があり、珍しい感じ。重なった。
少し早めに仕事を切り上げ、自分で席を決める。響の二の舞はいやだし。
慈一先生の仕舞に続いて狂言は野村一門。すごく近い距離で石田さんを久々に。
岡田先生の「井筒」。秋の先生の会が中止になっていたので、体調崩されたとの事、心配。
幕が開き、囃子の調べでシテは橋かがりに進み出る。画像
囃子のハイトーンとはうらはらに、歩みは弱々しい。
病後を露呈してしまっている。
いつもの岡田先生ではない。線の細さはあるけれど、弱々しさを感じ取ったのは初めてだ。
本調子からはかなり遠い。舞台を見る目が厳しくなるあづち。
倒れる事はないにしても、倒れそうである。見所に感じさせてしまっては、ならない。と思う。
彼はシテの呼吸をさぐり、深く間を取った。次の運びを促すように。
体温を、呼吸を敏感に感じ取る。心を不安定さを感じ取る。井戸に移る業平は、まさに亡霊だった。
深い、紫の幻影。
週末は今年最後の素人会「松響会」、関西の林先生の会だ。
囃子のメンツに彼、父上、成田先生、ししょー、柿原父、
と行く動機バッチリ!
締めに「安達原」、しかもシテは林宗一郎くん。
清経のツレで一目ぼれした若手。
途中宝生の「宝友会」で抜ける。良太郎くんをわざわざ見に行く。
観世〜宝生〜観世は結構きつかったな。ゼイゼイいいながら、なんとか番囃子に間に合った。
「安達原」は非常に良かった。老女の鬼だったか少々若々しい感じになった。
なんといっても、囃子!ししょーと父上のコンビは久々に思う。
父上は良くも悪くも抜いていない間が好きだ。ししょーの繊細な音色によく重なる。
クリスマスイブは日曜、でも仕事、ここから最終までガッと駆け続けるような感じ。
だいたいこのあたりになると、年間の疲れで熱を出す。今年はなんとかセーフ。
梅若、井上先生の会があったが、仕事もあり行かず。「石橋」見逃す。
りょうの会としては最終回、と井上先生言ってたっけ。行けなくてごめんなさい。

仕事納めの日。土曜日。また能と重なる。今年最後の舞台。
ぐちゃぐちゃな机の上。ただ平らにした状態で会社を抜け出す。納会なんてどーでもいい。
会社を出て駅についてほっと一息。あ〜。終った終わり終わり。
すぱっと頭は入れ替わる。急ぎ足でセルリアンの地下へ。
定期能、2部制、もちろん両方見る!ボも出たので豪儀なあづち。
翌年2月の定期、それに恒例の正月公演のチケも買う。豪儀!
金剛流、源氏物語にひっかけた、「葵上」「はじとみ」
馬場あき子先生の解説、先生お元気だ。着物も定番、お話もおもしろい。
源氏物語、来年は1000年記念だそうだ。なるほど。じゃ、この手の行事増えるな。
狂言は、茂山一門、千作さんが出るので走ったかいがあるというもの。
席は恒例の中正面。値段的にここしか買えない。
「葵上」永謹先生のでかい六ちゃん。生霊は恐ろしいくらいに格がぼやけ、足音すらしない。
足元から這い上がってくる妖気。妖気は似つかわしくない?
でも表現するとすれば邪心、この世のものではないもの。
気づくと痛みを感じる。彼の手が孤を描く。痛みはさらにひどくなる。
身体を触るとぬるい体温を感じる。
彼の手があづちの気を切り裂いたようだった。
かまいたちにあった子供の頃を思い出した。
ぬるりとした感触。なまぬるい感触。彼とししょーの掛け声にはっとする。
後シテ鬼になった御息所。彼女の行き場のない感情が囃される。
鬼は葵上を連れて行こうとする。
連れ去る、舞台の葵上は「小袖」だが、後シテはこの「小袖」を持ち出すのだ。
小書「無明之折」。この連れ去る演出は金剛流のみだそうだ。
掛け声が終りを告げた時、ふうっと、大きく息をつく。
重ね締めた両手は手のひらに爪の跡を残していた。
地上へ。昼食もままならなかったのでごはんしたいが、
次が「はじとみ」だし、たくさん食べたら確実に寝る。
席は一番前列だし、寝るなんてもったいないので、
ホテルを出てコーヒーとデニッシュにする。

本年度最後だな〜と一年間を反芻するあづち。いやいや、実に色々でした。
しかし、確実に前進。なんつったって鼓に触れる時間を得た事。
そしてこのブログのおかげで広がった人との輪。つながり。
あづちのこれからを支えていくもの、それはきっと変らない。
ずっと好きな人。ずっと好きな事。ずっとずっと。
あづちは見所のどのお客様よりも、彼と同調出来るだろう。
ファンの方々に殺されそうだが、出会ってしまった限りこれはくつがえらない。
思い込みかもしれないが。でも、思い込みではないな、と感じる事もものすごく多い。
「気」が合うと思っている。彼が後座から100放てば、あづちは見所で確実に
100以上受け取っているのだ。
底の見えない悲しみ。炎になる激情。揺れる心。この世のものではない、足音。
振り続く雨。積もり続ける雪。月の影。見えるはずのない幻。邪心のまえぶれ。
何も掴めない手。私の手で。


設定テーマ

関連テーマ 一覧

月別リンク

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文